優遇税制についておしえて?
優遇特例が使えるか事前の確認が肝心
不動産売却での優遇税制といえば、マイホーム(居住用財産)の売却益にかかる所得税の3千万円特別控除がありますが、これは、売却益が出てはじめてトクをする優遇税制です。土地バブルの時代には、ほんとうにありがたい制度でしたが、はたして、いま売却益が出るかたはどれほどいられるのでしょうか。
むしろ、売却損が出てしまう方が多いのではないでしょうか。だとすれば、譲渡損失の繰越控除について説明しなければいけないでしょう。
所有期間5年以上のマイホームを売って損失が出たとき、他の所得から差し引くことができます。つまり、他の所得にかかっている所得税を軽減できます。これを「損益通算」といいます。
その売却が、買い替えのためのものなら、さらに翌年以降3年にわたって、引ききれない損失分を繰越して、所得控除に当てることができます
たとえば、あるサラリーマンの方が、マイホームの売却によって、給与所得4年分の譲渡損失が生じたとします。ほかに所得がないとして、この方は、売却した年を含めて4年間、所得税も住民税かからないことになります。もちろん、この特例が適用されるためには、売却物件や新たに購入する物件などにいろいろ条件がつきます。特例が使えるつもりで使えなかったというのでは、困ってしまいます。事前の確認をよくしておく必要があるでしょう。