査定価格ってどういう価格?
おおむね3か月あれば売却できる価格
不動産の価格は、一物四価とも一物五価ともいわれます。ひとつの物件に四つあるいは五つの価格があるという意味です。
土地取引の指標とされるべき価格である「公示地価」と「基準地価格」、相続・贈与の課税標準となる「路線価」、固定資産税等の課税標準となる「固定資産税評価額」、それと現実の市場で実際に取引が行われた価格である「実勢価格」。これが五価です。四価という場合は基準地価格を抜くのが一般的です。
査定価格は、この実勢価格に即して割り出したお客様の個別の不動産価格のことです。…というと、査定価格の算定は、簡単なように聞こえますが、結構厄介なものです。それは、実勢価格の捕捉に難しさがあるからです。実勢価格は、実際に取引きされた価格ですから、動かない価格です。しかし、不動産は相対の取引きです。一つひとつの取引きは、それぞれに違った一人ひとりの当事者が、それぞれに違った事情を抱えながら行われたものです。それも一つひとつ固有の物件の取引きです。
実勢価格をマーケット・プライスと訳すことができますが、ここで想定される市場(マーケット)は、きわめて抽象的なものです。商品や証券が取引きされる市場とは異質の、むしろ、労働市場というときの市場に近いものがあります。
ともあれ、わたしたち不動産会社がご提示する査定価格は、おおむね3か月あれば売却できる、買いのお客様を見つけることができる価格です。そうした意味合いで、お客様に提示しています。もちろん、どういった実勢価格を基準にし、お客様の物件との差異をどのように査定価格に織り込んだか、あるいは地域的な流通の動向をどう読んでいるか、また、お客様の個別事情にどう応えているか、ご納得いただける説明を尽くしております。